いま消費減税は最大の話題である。野党は消費減税の要求で一致し、内閣不信任案も出せる情勢だ。石破首相は減税を否定したが、森山幹事長は「勉強会」を始めた。
党内の旧安倍派グループや公明党からも減税要求が強いので、与野党の妥協点として維新や立民の提案する食料品の非課税が出てくる可能性が高い。そこでチャットGPTにシミュレーションしてもらった。
Q. 食料品だけ消費税ゼロにしたらどうなりますか?
日本で食料品の消費税をゼロにした場合の影響を、同じくVAT(付加価値税)ゼロのイギリスの例を参考にしてわかりやすくシミュレーションしてみます。
✅ メリット
・家計の負担が軽減
→ 特に物価高の今、食費の税がなくなれば消費者にとってはありがたい。
→ 例:月4万円の食費 → 税額約3,200円 → これがゼロになる
・一見、低所得者支援に見える
→ 食費の割合が多い世帯(低所得層)には恩恵があるように思える。
❌ デメリット・問題点
「何が食料品か?」という線引きで大混乱
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- 温かい食品 vs 冷たい食品
- その場で食べる vs 持ち帰る
- 加工食品 vs 素材
実は高級食材を食べる金持ちほど得をする
- 税抜き500円のコンビニ弁当は、非課税で40円安くなるだけ。
- 7万6000円のタラバガニは、非課税で6080円安くなる。高級食材を食べるグルメの金持ちほどメリットが大きい。
7万6000円(税抜き)のタラバガニ
税収が大きく減る(5兆円の穴):この減収分を「どこで補うか」が問題。
- 他の税(所得税・法人税)を上げる?
- 社会保障費の削減?
- 国債の増発?
Q. 食料品を非課税にすると低所得者は助かるのか?
✅ 一見すると「助けになるように思える」
- 食料品は生活に欠かせないので、税がかからなければ出費が減る。
- 低所得者は収入の多くを食料品に使うため、税率ゼロの恩恵が大きいように見える。
❌ 2. でも実際は「金持ちが得をする」
- 高所得者の方がたくさん消費税を払っているので、消費減税の額も大きい。
- 低価格の食品は需要の価格弾力性が低いので、減税しても消費が増えず、メリットが少ない。
- タラバガニのような高級食材は弾力性が高く、非課税になったらたくさん売れるので、金持ちほど消費減税のメリットは大きい。
所得分配としては「不公平になりがち」
- 「たくさん買う人ほど得をする」ので、税率ゼロは所得分配としては逆効果になる。
- お金持ちにも減税されてしまうので、本来助けたい人に絞った支援にならない。
Q. 外食産業は食料品が非課税だとどうなりますか?
✅ メリット(ぱっと見)
- 食材の消費税がなくなるので、現金支出が少なく見える。
❌ でも実は飲食店は増税に!
- 仕入税額控除ができなくなり、税務署に払う消費税が増える。
- 食材の仕入れ価格は税率ゼロになっても下がらない。
❗ 問題点・懸念される影響
- 持ち帰りの弁当は無税なので、飲食店で食べなくなる。
- 同じ商品を調理すると消費税10%で、テイクアウトだと無税なので混乱する。
- 制度の抜け道になる:持ち帰りとして買い、店舗内で食べてしまう。
イギリスの例(参考)
- イギリスでは「温かい食品=課税対象」「冷たい持ち帰り食品=非課税」となっていて、買う人も売る人も混乱しています。
- たとえばパスティ(惣菜パン)を店で温ためるとVAT20%ですが、冷たいまま売ると非課税なので、パスティの店が税務署に訴訟を起こしたりしています。
パスティ
Q. 消費減税は金持ちほどメリットが大きいんですね?
はい、その通りです。消費税の減税は、一見みんなに平等なメリットがあるように見えますが、実際には高所得者ほど得をする仕組みです。
消費額が多い人ほど、税の割引額も多い
- 消費税は「買い物の量や金額」に応じてかかる税なので、消費額の多い人ほど減税額も多い。
- 高所得者はたくさん消費するので、減税すればするほど得する金額も増える。
消費減税は「金持ち減税」
- 消費税もVATも流通のすべての段階にかける公平な税なのに、食品だけ税率ゼロにすると既得権ができ、政治的なロビー活動でゆがみが大きくなります。イギリスでは1973年にVATの導入と同時にゼロ税率を決めたが、いまだに混乱が続いています。
- しかも高級品ほど得になるので、低所得者への所得分配にはならない。実は食料品だけではなく、消費減税は金持ち減税なのです。
- 低所得者の支援が目的なら消費減税ではなく、低所得者に的をしぼった給付金のほうがましですが、今はインフレなので財政バラマキは好ましくない。