いま日本の100歳以上の人口は約9万5000人。団塊の世代が100歳になる2050年には、50万人を超えると予想されています。そのころ人口は約1億人に減るので、実に20人に1人が100歳以上という超高齢社会になるわけです。

ニッセイ基礎研
これはおめでたいことですが、喜んでばかりもいられない。2050年には65歳以上の高齢者は3800万人。それを5200万人の生産年齢人口が支えなければなりません。この政府の予測はかなり楽観的で、昨年の出生数は過去最少の68万人となり、予想を超える少子化が進んでいます。
この急速な少子高齢化が日本の直面する最大の課題であることは周知の事実ですが、その対策は「シルバー民主主義」に阻まれて進まない。13日に成立した改正年金法は、国民年金を「底上げ」するコストを現役世代の厚生年金積立金で埋め、それを増税で将来世代に先送りするものです。
さらに大きな問題は老人医療です。今年の骨太の方針には、維新が主張していた「OTC類似薬の保険適用の見直し」が入りましたが、これは氷山の一角です。老人医療費の赤字は国費と現役世代からの「仕送り」でまかなわれ、その総額は毎年10兆円。その赤字で多くの健保組合が解散しています。
このように超高齢社会にそなえる制度改革が先送りされ、現役世代の負担はますます重くなります。これは政治の問題ですが、個人が自衛することも必要です。特に介護は多くの家庭で深刻な問題になっています。
65歳以降の余生が35年にもなり、孤独な高齢者が増えると、老後をどう過ごすかも切実な問題です。生きがいや宗教などの意味もあらためて問われるでしょう。今回のアゴラセミナー「人生100年時代」では、社会保障の問題を考えると同時に、長すぎる老後の生き方を考えます。
講師:池田信夫(アゴラ研究所 所長)
テーマ
- 年金は「100年安心」なのか
- 老人医療は財政的に破綻している
- 赤字が拡大する介護は維持できるのか
- 年金・医療・介護をどう改革するか
- 「老人デモクラシー」の袋小路
- 孤独な老後をどう過ごすか
- 宗教の意味を考える
開催日:2025年7月4日から毎週金曜日(全12回)
7月4日・11日・18日・25日
8月1日・8日・22日・29日
9月5日・12日・19日・26日
時間:19:00~20:45
定員:無制限
受講者全員をアゴラサロンに無料でご招待します(受講期間中は無料)。
受講料
- 3ヶ月12回分:3万6000円(消費税込み)
- アゴラサロンの有料メンバー:2万7000円(同)
お申し込み方法:専用フォームに必要事項をご記入いただき、フォーム記載の弊社口座へのご入金をもって手続き完了です。
主催:株式会社アゴラ研究所